大根島の由来

大根島の由来

左側が大根島、右側が江島です。

枕木山から見た大根島

文字は言葉からの当て字が多く、「蜛蝫たこ)島」から「太根」、更に「大根」としたと考えられます。このようにして「蜛蝫島」が「だいこん島」となったと考えられます。

なお、「蜛蝫島」については、出雲風土記にも記載されています。

蜛蝫島(大根島)は周囲9,800メートル、高さ8.9メートルである。

昔のことをよく知っている老人の伝えによると、出雲郡の杵築御崎(きづきのみさき)に1匹の「たこ」がおった。そこへ1羽の天羽々鷲(羽の広い大鷲)が来てその「たこ」を捕らえ、飛んできてこの島に留まった。それで「蜛蝫(たこ)島」というのであるが、今の人はこれを誤って栲島といっている。

この島は土地が肥沃で、島の西の辺りに松が2株あるが、その他は、かや、はますげ、おはぎ、ふきなどの草が生い茂っている。(この島は牧場となっている。)この島は陸地より1,600メートルほど離れている。

むかで島(江島)は周囲2,900メートル、高さ約6メートルである。昔のことをよく知っている老人の伝えによると、「蜛蝫島」にいた「たこ」が、「むかで」をくわえてきて、この島に留まっていた。それで「むかで島」というのである。

この島の東の辺りには神社がある。それ以外はみな民家である。この島は土地が肥沃で、特に桑や麻を豊富に産する。世間で「島の里」と言われている所である。島は本土の津から1,250メートルのところにある。

島から伯耆国の会見郡に属している夜見島(弓ヶ浜半島は当時島であった。)に至るまでの間には、岩盤が続いていて、長さは約1,100メートル、幅は107メートルばかりであるが、きわめて浅いので、乗馬で往復することができる。潮の満ちた時は、深さ74センチばかり、潮の干た時は全く陸地のようである。